8月6日。『絶望』から『復興』、そして未来へ
広島にとって特別な日、8月6日。広島に1年で最も人が集まるそんな日に、今回の授業は行われました。先生にお迎えしたのは、戦後、ヒロシマが復興する姿を見つめ続けてきた広島人カメラマン、明田弘司さんです。 明田さんが昭和20年?30年代にかけて撮影した広島の姿を1冊の本にした『百二十八枚の広島』(南々社)の中から、9枚の写真をピックアップ。写真が撮影された場所を歩いて探し、同じ構図で撮影、広島の過去と現在を比べます。撮影するにあたって、明田さんからは「風景だけでなく、その時代の“人”を一緒に撮影する」という課題を出していただきました。 2グループに分かれたら、さっそく街歩き開始です! 原爆ドーム前を出発地点に、各グループで5か所ずつ回ります。明田さんが撮影した写真の中にある建物や山・銅像などからヒントをもらいながら、みんなで知恵を出し合って撮影場所を探し出し、ここだ!と思った場所で写真をパチリ。場所はもちろんのこと、アングルにもこだわります。気分はまるで宝探し! 普段歩きなれている街並みも、昔の様子を想像しながら歩くことで、少し違って見えました。 約1時間強、広島の街中を歩きまわった後は、手作り感溢れるお洒落なサンドイッチ&喫茶『Mille Sand(ミルサン)』にて、いよいよ明田さんと合流です。撮影した写真をプリントアウトしている間に、明田さんから思わぬプレゼントが! なんと、参加された学生のみなさん一人一人に、当時芸備線を走っていた三重連の蒸気機関車の写真をご用意してくださっていました。その列車が運行される最後の日に撮影したのだそうです。当時の思い出をお話いただきながら、和やかにスタートした授業後半。 明田さんが撮影した写真と、自分たちが撮影した写真をフォトフレームに入れ、違いを見比べながら、明田さんに一つ一つ写真にまつわるお話をしていただきました。 戦後当時、原爆ドームの周辺はバラック住宅が密集する、いわば無法地帯でした。明田さんはそんな場所にも一人で訪れ、住人に溶け込みその生活をありのままに撮影したそうです。フラッシュは絶対に使わなかった、と明田さんは振り返ります。あくまでも自然に、「そのまま」を記録することにこだわり続けたからこそ、明田さんが撮る写真には説得力があるのだな、と思いました。 その他にも、戦後当時も本通りには屋根があったこと、今と違って支えが弱かったために、雪ですべて倒れてしまったことや、時間があれば平和公園を訪れ、おもしろそうな人を見つけては、付いて行って撮影していたことなど、次々と溢れてくる明田さんのお話に引き込まれているうちに、時間はあっという間に過ぎていきました。 広島の過去と現在を、写真を通して見つめ直した今回の授業。原爆が落とされた昭和20年の8月6日から66年が経ち、復興したヒロシマで、私たちは今生きています。この先待っているのは、どんな未来なのでしょうか? 今回の授業で見つめた、焼け野原から現在の姿にまで復興した広島の力強さは、これからの未来を生きる私たちに、「不可能なことなんてない」と、勇気を与えてくれているように感じました。 (ボランティアスタッフ 黒川めぐみ)
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2011年08月06日(土) 15時00分 ~ 18時00分 教室:サンドイッチ&喫茶 Mille Sand ミルサン
昭和20年8月6日。 ヒロシマの夏。 広島に住む私たちにとって、 子どもの頃から幾度となく見させられてきた原爆の街ヒロシマ。 そこには常に『絶望』が写り込んでいたように思います。 しかし、今は数えきれないビルや百貨店が立ち並び、 笑顔で暮らす、私たちやみなさんがいます。 そんなヒロシマが復興する姿を、 戦後から見つめ続けてきた広島人カメラマンをご存知ですか? 8月6日という特別な日の授業は、 広島人カメラマン明田弘司さんを先生に迎えて、 写真集『百二十八枚の広島』(南々社)を教科書に行います。 昭和20~30年代の広島を撮影したこの写真集では、 戦後エネルギッシュに働く人たちや、子供達の笑顔など 『絶望』から『復興』へ向かって、強く立ち上がって行く広島が焼き付いています。 今回の授業では… 1.写真集から、完成した頃の広島市民球場や、まだ砂地だった頃の八丁堀など、 厳選した数枚の写真の場所を探し、同じアングルで撮影します。 2.それを教室で写真にして、明田さんの写真と並べてディスプレイします。 3.作業中に明田先生から直接広島の歴史を教えて頂きます。 明田先生が60年前に覗いたヒロシマの景色は 60年後の現在、いったいどうなっているのでしょうか? ヒロシマに眠る時空の窓を、一緒に探しに行きましょう!! 【授業の流れ】 14:30 受付開始(授業開始の30分前) 15:00 授業開始 15:15 撮影に出発 16:45 「中電前」電停に集合→乗車 17:00 「御幸橋」下車。教室ミルサンに到着→作業開始 17:50 記念撮影 18:00 授業終了・アンケート記入 ※当日は炎天下での街歩きが予想されます。 歩きやすい服装、帽子や水分などの準備を各自でよろしくお願いいたします。 ※集合場所と教室の場所が異なります! ※実費750円がかかります。 【内訳/写真の印刷代とディスプレイ代500円、傷害保険代等(レクリエーション保険)100円、電車代150円(中電前から御幸橋まで)】 【集合場所】 原爆ドーム前 (電車通り側) ひろしまジン大学の赤色のバナーを目印にしてください。 【持ち物】 ・デジタルカメラ ・実費750円がかかります。 【内訳/写真の印刷代とディスプレイ代500円、傷害保険代等(レクリエーション保険)100円、電車代150円(中電前から御幸橋まで)】 【入場】 集合場所へは、授業開始時間までに必ず集合して下さい。 なお、10分を超えて遅刻された場合は受付終了となり、授業へ参加することが出来ませんのでご注意下さい。 【交通手段】 お車、自転車でお越しの際は、近隣のパーキングをご利用下さい。 (授業コーディネーター 三上亮)
<先生>
明田弘司 / 写真家
大正11(1922)年12月、広島県呉市生まれ。終戦後の昭和23(1948)年、生まれた呉をあとにして、広島市中区東千田町にて「ヒロシマ・フォト・サービス」を開業。国際写真サロン主催の芸術コンテスト入選3回をはじめ写真専門各誌のコンテストへの入賞歴多数。その実力を高く評価されている。20代の頃に報道写真の先駆者、名取洋之助氏に会い「広島市は原爆ですべて焼き尽くされた。元に戻るのにこれから何年かかるかわからないが、皆さんはそれを記録しなさい」との言葉に感銘を受けて、その翌日からそれを実行しつづけて今や60年以上に及ぶ。自身を文字通り、写真とともに生きてきたと言われるように、明田さんの写真店を覗くといつも写真に埋もれた明田さんが笑顔で迎えてくださる。
<教室>
サンドイッチ&喫茶 Mille Sand ミルサン
住所:広島市中区千田町3-11-5 広電「御幸橋」より歩いて2分
広島市中区にあるサンドウィッチ・喫茶店。古民家を改装した、あまり目立たない店構えで、壁一面のパンダはとってもキュートで印象的。この絵は、アーティストMAYAMAXX氏がこの場で創作したもの。 店内の商品の全て(ドリンクも含む)はテイクアウト可能になっている。手作り感抜群のサンドウィッチで、そこらのチェーン店やコンビニのものとは一味も二味も異なる。 レトロでおしゃれな空間でゆったりとした時間を過ごすのには最適なお店です♪♪
カテゴリ:【校外学習・平和】 言 語 : 日本語のみ 定 員 :8人
参加対象:どなたでも